ここ数年「子どもに保育園を休まれると困る…」そんな声を聞くことが増えました。保育園は集団生活の場ですから、いくら気を付けていても風邪をひくこともあるでしょう。本来は「我が子には元気でいてほしい!」と純粋に思うものですが、仕事をしていると「休まれたら困る…」と少なからず思うでしょう。そんな自分自身に嫌悪感や子どもに対する罪悪感を感じて落ち込んでしまうようなことはありませんか?しかし、どんな気持ちにも、そう思う理由があると思います。
- 近くに頼れる人がいない
- 子育てに対する会社の理解がない
- 仕事を休みたくない
- 子どもと一緒にいることがしんどい などなど
それを解消するものは2つ。「早めの受診」で悪化させない長引かせない。「思いやり」で一人で背負わない、背負わせない。具体的にどのような事なのか、お話ししてみようと思います。
親失格!?「休まれたら困る」親の本音
「また熱!?」「もうこれ以上休めない…」そんな風な気持ちを抱いた経験…働く親なら誰もがあるのではないでしょうか。パパが休む?ママが休む?と何だか険悪なムードになってしまったり、イライラした気持ちを子どもにぶつけてしまったり。働いていなければ子どもの体調を一番に考えてあげられたのでは…子どもに優しくなれないなんて親失格?と罪悪感を感じたり自己嫌悪に陥ることもあるでしょう。
でも、大丈夫です。人間ですから様々な感情を抱くことはごく自然なことです。そんな自分の本音をまずは受け止めることが大切です。誰かのせいにするのではなく、自分自身と向き合ってみましょう。そうする事で、自分自身が育児と仕事の両立の中で「何を大切にしたいか」が見えてくると思います。
見逃さないで!必ずある体調不良のサイン
「お腹が痛い」「体がだるい」など子どもは自分の体調不良を訴えることが難しいです。その理由として乳幼児はこんなことが考えられます。
- 自分の体が今どんな状態なのかが分からない
- 言葉の表現力が乏しい
- 伝えた方がいいと思っていない
子どもは自分の体の状態を気にしながら生きてはいません。興味関心の赴くまま生活をしています。泣いたり笑ったりと感情も豊かです。でも必ずあります。体調不良のサインが!!
何となくきげんが悪い(理由が分からない)、いつもよりぐずったり泣いたりする、食欲がない(ミルクののみが悪い)、元気がない、眠りが浅くてすぐに泣いて起きる、あやしたり遊んでもいつものように笑わないなど…。
そんな時は、熱がないか体温計で測ったり、皮膚に赤いポツポツがないかなど全身の状態を観察しましょう。おしっこの回数や便の形状も把握しておくとよいでしょう。ポイントは「いつもと違う」かどうかです。
早めの受診が必要なわけ「要注意は鼻水」
子どもは上手に鼻をかむことができません。垂れてきた鼻水を手で触り、その手で目を触れば赤くなったりかゆくなったりします。鼻水をほおっておくと喉に流れ込み咳の原因になることもあります。かめずに鼻に溜まった鼻水が副鼻腔炎を引き起こすこともあります。更には中耳炎の原因にも…。
仕事をしていると一刻も早く家に帰りたい。なぜなら、食事の準備・洗濯・お風呂と帰宅してからの方が忙しいから。病院の受診は時間が掛かりますから後回しにしたい気持ちはよく分かります。しかしながら「熱がないから大丈夫だろう」と様子をみていると症状は悪化し、かえって体調不良な状態が長引くことがあります。鼻水は出始めが肝心です。早めに受診をして鼻水を吸ってもらうだけでも、食事が進み夜ぐっすり眠れるようになります。鼻が詰まっていると苦しいから…。子どもの鼻詰まりは「健康に直結」します。たかが鼻水、されど鼻水という事です。
「私は休めない!」より始めから「休む覚悟で」
子どもは知ってか知らずか、大事な会議が入っている日や代わりがきかない日に限って熱を出したりしますよね。これはもう仕方のない事で誰のせいでもありません。子育てをしながら仕事をするとう事はそういう事と割り切りましょう。何のために働いているのかを夫婦で明確にしておくとよいでしょう。
子どもがいると犠牲にしなければならないことが増えるとマイナス思考に捉えるか、子どもがいるからこそ働くことに意欲的になれると前向きにとらえるかでも変わってきます。「我が子優先」にするならば「休む覚悟」が必要です。いざという時のために病児保育の利用も検討しておきましょう。準備をしておくことで不安や不満は減りますから心に余裕が持てる体制は整えておくといいかもしれません。
夫婦ともに「休む覚悟」があれば「今日は私が調整するね!」と言えるはず。夫婦の会話があれば「今日は会議だよね?私が看病するよ!」と相手を思いやる言葉が出てくると思います。「休む覚悟」は自然と「思いやり」を生むのです。
まとめ
育児と仕事の両立は簡単なことではありません。思うようにいかないことの方が多いかもしれません。人を育ててるのですから本来「当たり前の事」
それでも余裕がなくなれば、子どもやパートナーに言わなくていい事を言ってしまったり冷たい態度をとってしまったりするでしょう。親も人間ですから仕方のない事。でも、そんな言動が少しでも減るように「早めの受診」と「思いやり」で笑顔の多い毎日になるといいなと心から思います。