しつけはいつから?心の成長を阻害する親の関り…発達を理解して適切なしつけを

外に出ても恥ずかしくないように、子どもが将来困らないようにと子どもを厳しく叱りつける親がいる一方で、子どもは自由にのびのびと!と何をしても注意しない親。どちらも子どもへの愛や思いがあっての親のかかわりで、悪い事ではないように感じます。もちろん親自身も、子どもがかわいくなくて厳しくしているわけでもなく、子どもに興味がなくて放任しているわけでもありません。

子どもを【しつける】という事は、基本的生活習慣を身につけて社会でのルールを守れる人間に育てるという事。そこで大切なのは「発達に合わせたしつけ」をすることです。乳児期の子どもの発達を理解して適切なしつけができると子どもの心はしっかり育まれていきます。年齢別にみていきましょう。

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しつける前に心の土台を作る 

これも子どものため!と教え込もうとしても上手くいきません。大切なのは正しい事そうでない事を教えてもらった時に「受け入れられる心の土台」があること。発達を理解してしっかり育んでいきたいことをお話しします。

0歳から1歳

この頃の赤ちゃんは快不快を伝えたり欲求を感じることはできますが、相手の気持ちを理解することはまだできません。ルールを理解させ守らせることは不可能なのです。「触ったらだめよ!」「危ないよ!」と伝えても理解が難しいので、親が危険がない環境を整えるしかありません。

赤ちゃんの1つ1つの行動をあたたかく受け止めていく事、欲求を満たしてあげることが「ありのままの自分が受け入れられている」と思える自己肯定感となり心の土台となっていきます。叱ってしつける意味のなさだけではなく心の成長を阻むような関りは子どもの心を大きく傷つけてしまうという事を覚えておきましょう。

1歳から2歳

少しずつ言葉の理解ができるようになります。そして思いを言葉にして伝えられるようにもなってきます。「イヤ!」と親の関りを拒否をする事が増えてくるのもこの時期です。

「イヤ!」を否定せずに立派な自己主張として認めてしっかり受け止めてあげることが「思いをぶつけても見捨てられたりしない」「どんな自分も愛されている」という安心感につながります。これも自己肯定感を高めるためには必要不可欠な要素ですから、大切に育んでいきたいものです。

ただし「子どもの言いなりになる」とは違うという事は、肝に銘じておかなければなりません。

2歳から3歳

言葉の理解力が高まるこの時期。大人の話がよく分かるようになります。しかしながら、言われたことをすぐに行動に移すことはまだ難しいです。友だちと仲良く遊んだりルールを守るにはまだまだ大人の助けが必要です。

そのため、子ども同士のかかわりの中では、思いが通らない場面が増えていきます。喧嘩もするでしょう。そのような経験をしなければ学べないことがあります。やっていいこと悪い事を知ったり、時に傷つけ傷つけられることでルールや思いやりの心を育んでいきます。

この時期までに「ありのままの自分は愛されている」と思える心の土台が育まれていると「自分の気持ちを安心して表現できる」そんな姿が見られるはずです。

具体例で考えてみる!発達に合わせた関り方

物を投げることが好きな子どもがいたとします。まだ理解が難しいなら投げても危なくないものを用意するといいでしょう。環境を考えることで危険が減ります。

ある程度理解ができるなら「ものは投げたらいけません」と分かりやすく伝えましょう。そのあとに「どうぞって渡そうね!」「ボールは投げてもいいよ!」と正しい行動を伝えてあげましょう。

否定的な言葉は使わない方がいいのでは?と思った方もいるでしょう。ポイントは人格の否定はしないという事です。「何回言っても分からないあなたはダメな子ね!」これは子どもの自尊心を傷つけてしまいます。その行動は〇か×か。これは乳児にははっきりわかりやすく伝える必要があります。あれこれ長く説明しても分かりませんから、できるだけ「短く」「簡単な言葉」で伝えると届きやすいと思います。

まとめ

子どもを【しつける】という事は、基本的生活習慣を身につけて社会でのルールを守れる人間に育てるという事。「発達に合わせたしつけ」をすることで、生きていくうえで大切な心の土台となる自己肯定感を育んでいけるでしょう。

しつけることに一生懸命になりすぎたり、焦ったりすると親子で苦しい時間を過ごすことになってしまいます。繰り返し何度も伝えて覚えていくもの、と頭に入れて長い目で見守っていきましょう。

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