時代の流れとともに、推奨される子育ての仕方も変化しています。褒めて伸ばす・叱らない…そんな風に子どもを育てることができたら、親自身の育児に対するストレスを大きく減らすことができるでしょう。どのようなメリットがありどんな風に子どもと関わればいいのかを知ると、対応や声掛けが変わってくると思います。ぜひ、参考にしてみて下さい。
褒めて伸ばす子育てとは?
褒めて伸ばすためには「子どもの姿をよく観察する事」が必要です。「今」を知ることが、子どもの変化を見つける鍵になります。褒めるということは特別なことではなくて「ママはあなたの事見ているよ」と伝える事。心を寄せて言葉にして伝えることができれば十分です。もう少し掘り下げてみましょう。
自己肯定感を高める
自分の行動や頑張りを褒められるということは、大好きな人が「見てくれている」「認めてくれた」という喜びになります。更に、自分は大切にされていると感じる事ができるので自己肯定感が高まります。
自己肯定感は、誰かと比べなくても今の自分を認めて尊重できる力です。
「ありのままの自分」を好きになれるということです。
子どもの意欲を引き出す
自己肯定感が高まると、自分に自信が持てるようになります。やってみたい、やってみようという気持ちは、行動することに繋がります。様々なことに前向きに取り組み経験を重ねることで「好きなことを見つける力」「何事も楽しめる力」が身についていきます。
必要なのは子どもの「今」を知る事
子どもの「今」を知らない親が増えています。なぜなら、子どもと過ごす時間が劇的に減っているから。働いて家に帰れば食事、入浴、睡眠をこなすだけの毎日です。意識して子どもと関わらなければ知ることができないのです。
どんな事に興味があって何が苦手なのか、お友達と何を話して遊んでいるのか…無理やり聞き出そうとしなくても子どもは発していることがたくさんあります。まずは一緒にいられる時間を大切に、子どもの言動に耳を傾け心を寄せてみて下さい。
叱らない子育てとは?
叱らないということは「何でも許す」という事ではありません。ここをしっかり押さえなければ「放任」になってしまいます。正しくは「叱らなくていい環境を整える子育て」と思っていた方がよいでしょう。そのためにはどうしたらいいのか、具体的に考えてみましょう。
自尊心を傷つけない
自尊心とは能力や魅力などの理由があるから自分を受け入れられる心のことを言います。自尊心を傷つける=能力の否定 と考えると分かりやすいかもしれません。「支度が遅い!」と否定するなら「どうしたら支度がスムーズにできるかな?」と一緒に考える方がよいでしょう。「おもらししないでって言ったでしょう!」とイライラする気持ちはよくわかりますが「次は、お家を出る前にトイレに行けるといいかもね!」と同じことを繰り返さないための方法があるよと教えてあげる。言葉かけの工夫次第で、自尊心を傷つけずに伝えることができます。
親自身の自己否定が減る
子どもに対して感情的になってしまうことは親ならだれでもあるでしょう。なぜなら人間だから。感情がある生き物だからこそ、何より毎日同じようなことが繰り返されるからこそ、声を荒げたりキツイ態度をとってしまうこともあるでしょう。そのたびに「言い過ぎたかな…」「冷たくしてしまった…」と後悔の念にかられます。寝顔を見て「ごめんね」と涙を流したことがあるママも沢山いるのではないでしょうか。
感情的に、そして一方的に言葉をぶつけてしまう事が減れば、親としての自信を失わずにすむ。つまり、叱らない子育ては親の自尊心も傷つけずにすむのです。
必要なのは叱らなくていい環境を作る事
親が子どもを叱るときはどのような時でしょうか。様々な理由があると思いますが子どもが小さなうちは「してほしくないことをしたとき」という理由が圧倒的に多いでしょう。
子どもの失敗は「わざと」ではなく、まだまだ未熟なために「できない」だけです。「どうしてこぼすの!」と叱るくらいなら、たくさんお皿に盛りつけないようにしたりすぐに拭ける様に布巾を用意しておくなど子どもの失敗を「想定内」として環境を整えることをおススメします。
予測をして対処しておくことで瞬間的に怒りが湧いてくることは確実に減ります。子どもは発展途上だから仕方ないと大きな心で受け止められるようになります。環境を整えると心に余裕が生まれるのです。
子どもにもプライドがある!褒め方のポイント
「すごいね!」「偉いね!」「頑張ったね!」とひたすら褒めればいいわけではありません。子どもにもプライドがあります。できて当然のことを褒められても嬉しくないのです。褒めるに値する事柄を褒めましょう。
正しく褒めるには、子どもに関心を持つという事が必須です。結果ではなく子どもの姿を認める事。「上手に描けたね!」よりも「力強く描けたね!」「残さず食べて偉いね!」よりも「おいしそうに食べてくれて嬉しかったよ!」「かっけこ1位!頑張ったね!」よりも「一生懸命走る姿がかっこよかったよ!」どういうところがステキでどんな姿に感動したのかを具体的に褒めることができると効果は抜群!子どもはぐんぐん自信をつけていくでしょう。
人格否定はしない!叱り方のポイント
一番大切なことは、行動を否定しても人格は否定しないという事です。何度伝えても室内で走ることを止めない子どもがいたとします。「何回言っても分からないなんてダメな子ね!」と人格を否定してしまうと、子どもの心に残るのは、僕はダメな子なんだという「否定」のみです。
「お部屋の中は走らないでね!」としてほしくない行動を伝えたら「歩こうね!」と、どうすればいいのかを必ず伝えましょう。正しい行動が分からなければ、何度言っても繰り返してしまう。このように学びながら育っていきます。根気強く伝えていく事が大切でしょう。
まとめ
褒めて伸ばす子育て・叱らない子育ては、どちらがいいとか悪いではなく、結局はメリハリが大切です。時と場合によって使い分ける事、我が子に合う対応や言葉かけを見つける事、それができると子どもの心は健やかに成長していくでしょう。